「お金を稼ぐことは幸せである。それだけでも素晴らしいインセンティブになる。他人を幸せにすることは、超幸せである。」（ムハマド・ユヌス）ムハマド・ユヌスは、目的とミッションの感覚を象徴するパワフルなロールモデルです。彼は、発展途上国の起業家を支援するマイクロクレジットのコンセプトを先駆けて開発した、グラミン銀行の創設者です。経済資源を十分に持たない人達への少額の融資が、非常に大きな違いをもたらす事を知った時、ユヌスのビジョンが生まれました。例えばユヌスの出身国であるバングラデシュでは、竹製の家具を作って生活している村の女性たちが、その小さな商売の維持に苦しみ、資金を借りようとする際に足元を見られる状況であることをユヌスは知りました。昔ながらの銀行は、支払いを怠る危険性が高いとの観点から、貧しい人達への融資を嫌がりました。しかし機会さえ与えられれば、この女性達は融資の返済と、妥当な額の金利を喜んで支払うだろうとユヌスは確信していました。ユヌスは自費で、村の４２人の女性たちに２７ドルずつを融資し、すべての融資に対して少額だが、相当な割合の収益を上げました。これにより、マイクロクレジット融資は貧困生活を送る人々の人生を、良い方向に転換させることが出来る、実行可能なビジネスモデルであるという彼のビジョンが実証され、彼の信念は強化されました。1983年10月1日、ユヌスは、貧しいバングラデシュの人々のための本格的な銀行であるグラミン銀行（「村の銀行」の意味）を始めました。2007年7月までに、740万人に対して63億8000万ドルの融資を行いました。2006年、ユヌスとグラミン銀行は、この努力と世界中に類似のプログラムをインスパイアすることに成功した団体としてノーベル平和賞を受賞しました。