もう一人、パッションのロールモデルとして選んだのが、神話に登場する有名な旅人ユリシーズです。ホメロス、ダンテ、テニスンらの作品に登場するユリシーズは、 「冒険を渇望する」情熱的な航海者として描かれています。ホメロスの「オデュッセイア」の中で、ユリシーズは「旅は、それ自体が報酬だ」と熱く語っています。「人はそれぞれ、自分に最も適した仕事に喜びを感じる」と主張し、ユリシーズは次のように宣言しています。「もがくことのない、不名誉な死を私に与えないでほしい。私は、死後も語り継がれるような偉大なことを、まずは成し遂げなければならない。」 テニスンの作品に登場するユリシーズは、こう述べています。「この旅をやめることはできない。私は糟（ボトルの底に溜まる沈殿物）を飲み干すまで、人生を生き抜く。私を愛した者たちとともに、あるいは一人で、大いに楽しみ、大いに苦しんだ、そのすべての時間が人生である」 またユリシーズは、自分を突き動かしているのは「決して屈することなく力を尽くし、追い求め、探し求める」ことへの願望であると主張しています。